「赤字決算だけど、どうしても資金が必要…」

そんな切実な悩みを抱えている経営者の方、多いんじゃないでしょうか。
「銀行融資なんて、黒字じゃないと無理でしょ?」
そんな声も聞こえてきそうです。
確かに、従来の常識で考えればそうかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。
私、資金調達コンサルタントの橘莉子(たちばな りこ)は、これまで多くのスタートアップや若手起業家の方々を見てきました。
その経験からハッキリ言えるのは、「赤字だからといって、銀行融資の審査が降りる可能性がゼロになるわけじゃない」ということです。

ぶっちゃけ、銀行だって一枚岩じゃありません。
赤字の内容や、これからの計画次第では、ちゃんと話を聞いてくれるケースも少なくないんです。

この記事では、どうすれば赤字決算という状況からでも銀行融資の審査を突破できるのか、そのための「再建計画」の秘訣を、具体的なポイントを交えながら徹底解説していきます。
この記事を読み終わる頃には、きっとあなたも「これならイケるかも!」と、次の一歩を踏み出す勇気を持てるはず。
ぜひ最後までお付き合いくださいね!

ぶっちゃけ、銀行は赤字決算をどう見ている?

まず、銀行が赤字決算の会社をどう見ているのか、そこからお話ししましょう。
これを知っておかないと、的外れなアピールをしてしまう可能性がありますからね。

銀行が赤字決算を「危険信号」と捉えるワケ

これはもう、シンプルです。
銀行はボランティアでお金を貸しているわけではありません。
貸したお金がちゃんと利息付きで返ってくることで、ビジネスが成り立っています。

だから、赤字決算というのは、銀行にとって「この会社、貸したお金を返せる体力があるのかな?」という危険信号に見えるわけです。
特に、何期も連続して赤字が続いているような場合は、「経営、大丈夫…?」と、かなり警戒されてしまうのも無理はありません。

でも「即アウト」じゃない!赤字の種類と銀行の評価基準

じゃあ、赤字だと絶対にダメなのかというと、そんなことはありません。
ここが重要なポイント。
銀行は、赤字の「中身」をちゃんと見ようとします。

一口に赤字と言っても、いろいろなケースがありますよね。

  • 一時的な要因による赤字
    • 例えば、大規模な設備投資をした期。
    • 新しい事業を立ち上げるための先行投資がかさんだ期。
    • 災害などの予期せぬトラブルに見舞われた期。
      こういった、将来の成長や回復が見込める「前向きな赤字」や「一過性の赤字」であれば、銀行も少し見方を変えてくれます。
      「なるほど、この赤字は未来への投資なんだな」と。
  • 構造的な要因による赤字
    • 一方で、売上がずっと右肩下がり。
    • コスト構造に問題があって、利益が出にくい体質になっている。
      こういう場合は、さすがに銀行も厳しい目で見てきます。
      「このままじゃ、まずいよね…」と。

つまり、赤字の理由と、そこからどうやって立て直すのか、これをしっかり説明できるかどうかが、銀行の評価を大きく左右するんです。

金融機関によって異なる?赤字企業へのスタンス

そしてもう一つ。
相談する金融機関によっても、赤字企業へのスタンスは結構違います。

メガバンクのような大きな銀行は、やっぱり体力のある大企業や、安定した黒字企業との取引を好む傾向があります。
だから、赤字企業への融資はハードルが高めかもしれません。

一方で、地方銀行や信用金庫は、地域経済の活性化という視点も持っています。
だから、社長の人柄や事業の将来性、地域への貢献度なども含めて、より親身に相談に乗ってくれることがあります。

さらに、日本政策金融公庫のような政府系金融機関は、そもそも中小企業や小規模事業者のサポートを目的としています。
そのため、赤字であっても、事業計画の妥当性や再建への熱意をしっかり伝えられれば、融資のチャンスは十分あります。

どこに相談するかも、結構重要な戦略なんですよ。

審査官を納得させる「再建計画」の土台作り

さて、ここからが本題。
赤字決算の会社が銀行融資の審査を突破するために、何よりも大切なのが「再建計画」です。
これがないと、まず話になりません。

なぜ「再建計画」が銀行融資で最重要なカギなのか?

考えてみてください。
もしあなたが銀行の担当者だったら、赤字の会社に「お金を貸してください」と言われたら、どう思いますか?
「え、大丈夫なの…?」って、不安になりますよね。

その不安を解消するのが、再建計画の役割です。
「今は確かに赤字だけど、こういう手立てで、こうやって黒字化して、ちゃんと返済できる見込みがあるんです!」
これを具体的に、説得力を持って示す必要があるんです。

再建計画は、いわば「未来への約束手形」
銀行は、この約束手形を信じられるかどうかで、融資の可否を判断すると言っても過言ではありません。

銀行が最も知りたい「赤字からの脱却シナリオ」

じゃあ、銀行は再建計画のどこを一番見ているんでしょうか?
それはズバリ、「どうやって赤字から抜け出して、安定的に利益を出せるようになるのか」という具体的なシナリオです。

単に「頑張ります!」「来期は黒字化します!」みたいな精神論だけでは、まったく通用しません。
銀行が知りたいのは、その「頑張り」がどういう具体的な行動に結びついて、どういう数字の変化を生み出すのか、ということです。

例えば、こんな感じですね。

銀行が知りたいポイント具体的な説明内容の例
赤字の原因分析なぜ赤字になったのか?(市場の変化?コスト増?一過性の問題?)
具体的な改善策その原因に対して、何をどう改善するのか?(新商品開発?経費削減?)
改善策の実現可能性その改善策は本当に実行できるのか?(人員は?技術は?資金は?)
黒字化までの道筋とスケジュールいつまでに、どのくらいの利益が出る見込みなのか?
返済原資の確保利益から、どうやって融資を返済していくのか?

これらの要素が、ロジカルに、そして具体的に示されているか。
そこを銀行は厳しくチェックしてきます。

数字だけでなく「ストーリー」を語る準備をしよう

再建計画というと、どうしても売上目標とか利益計画とか、数字の計画ばかりに目が行きがちです。
もちろん、それもめちゃくちゃ重要。

でも、それと同じくらい大切なのが、「なぜこの計画で再建できると信じているのか」という経営者の熱意や、その背景にあるストーリーを伝えることです。

銀行の担当者も人間です。
数字だけでは見えてこない、経営者の覚悟や事業への想い、そして社員一丸となって取り組む姿勢。
そういったものが伝われば、「この会社なら、もしかしたら…」と、心を動かすことができるかもしれません。

もちろん、感情論だけではダメですよ?
でも、ロジカルな計画に、熱い想いが乗っかることで、説得力は何倍にもなるんです。
「この社長は本気だ」「この計画には魂がこもっている」
そう感じさせることができれば、審査官もあなたの会社を応援したくなるはずです。

【秘訣公開】審査通過率を爆上げする再建計画の具体策

ここからは、いよいよ審査通過率をグッと引き上げるための、再建計画の具体的な中身について深掘りしていきますよ!
私がコンサルで実際にアドバイスしている「秘訣」もこっそりお教えします。

足元の資金繰りを改善する即効性のある打ち手

まず、銀行が気にするのは「この会社、明日のお金は大丈夫?」ってこと。
どんなに立派な再建計画を描いても、足元の資金繰りが火の車では話になりません。

だから、まずは即効性のある資金繰り改善策を計画に盛り込むことが重要です。

具体的な打ち手例

  • 遊休資産の売却: 使っていない機械や不動産など、眠っている資産はありませんか? 売却してキャッシュに変えましょう。固定資産税などの維持コスト削減にも繋がります。
  • 在庫の圧縮: 過剰な在庫は資金を寝かせているのと同じ。適正な在庫量を見直し、不要なものは処分も検討しましょう。
  • 売掛金の早期回収: 回収サイトの短い取引を増やす、督促を強化するなど、手元にお金が入ってくるスピードを上げましょう。
  • 買掛金の支払いサイト交渉: 仕入れ先との信頼関係が前提ですが、支払いサイトを少し延ばしてもらう交渉も有効な場合があります。

これらの打ち手を実行することで、「まずは自分たちでできる限りのことをやっています!」という姿勢を示すことができます。

売上向上・コスト削減の具体的なアクションプラン

次に、赤字脱却の王道、「売上をどうやって上げるか」「コストをどうやって下げるか」という具体的なアクションプランです。
ここが再建計画の肝と言ってもいいでしょう。

売上向上のアクションプラン例

  • 既存顧客への深掘り: アップセルやクロスセルを提案できないか? 顧客のニーズを再分析しましょう。
  • 新規顧客の開拓: 新しいターゲット層を設定する、新しいエリアに進出する、Webマーケティングを強化するなど、具体的な施策が必要です。
  • 新商品・新サービスの開発: 市場のニーズを捉えた新しい価値を提供できないか?競合との差別化ポイントを明確にしましょう。
  • 価格戦略の見直し: 安売りしすぎていませんか? 付加価値を高めて適正な価格で販売することも重要です。

コスト削減のアクションプラン例

  • 固定費の見直し:
    • 家賃交渉
    • 不要な保険の解約
    • サブスクリプションサービスの整理
  • 変動費の削減:
    • 仕入れ先の見直し、相見積もり
    • 外注費の適正化
    • 製造プロセスの効率化によるロス削減
  • 人件費の最適化: 単純なリストラではなく、配置転換や業務効率化による生産性向上を目指しましょう。

これらのプランは、「やります!」だけではダメ。
「誰が」「いつまでに」「何をして」「どのくらいの効果を見込むのか」を、できるだけ具体的に、数字で示すことが鉄則です。

収益構造を根本から変えるための「新しい視点」

目先の売上アップやコストダウンも大事ですが、もしあなたの会社が構造的な赤字体質に陥っているなら、もっと根本的なメスを入れる必要があります。
つまり、収益構造そのものを変えるということです。

これには、今までのやり方にとらわれない「新しい視点」が不可欠。
私がよくクライアントにお話しするのは、こんな視点です。

  • ビジネスモデルの再構築:
    • 本当に今のビジネスモデルが最適ですか?
    • 例えば、売り切り型からサブスクリプション型へ転換できないか?
    • BtoCからBtoBへ、あるいはその逆は考えられないか?
    • DX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れて、業務効率を劇的に改善したり、新しい顧客価値を創造できないか?
  • 強みの再定義と選択と集中:
    • あなたの会社の本当の強みは何ですか?
    • その強みを活かせる市場はどこですか?
    • もしかしたら、不採算事業からは思い切って撤退し、得意な分野に経営資源を集中する方が賢明かもしれません。

こういう根本的な改革案を提示できると、銀行も「この会社は本気で変わろうとしているな」と評価してくれる可能性が高まります。
もちろん、実現可能性をしっかり吟味する必要はありますけどね。

実現可能性を高める「具体的な数値目標」と「スケジュール」

どんなに素晴らしいアイデアも、絵に描いた餅では意味がありません。
再建計画が「本当にできるの?」という銀行の疑問に答えるためには、具体的な数値目標と、それを達成するための詳細なスケジュールが不可欠です。

数値目標設定のポイント

  • 売上高: 前年比〇〇%アップ、新規顧客〇〇件獲得など。
  • 粗利率: 〇〇%改善(原価低減、高付加価値化など)。
  • 営業利益: 〇〇百万円(いつまでに黒字化するか明確に)。
  • コスト削減額: 固定費〇〇万円削減、変動費率〇%低減など。

これらの目標は、希望的観測ではなく、過去の実績や市場データ、具体的な施策の積み上げに基づいて、現実的なラインで設定することが重要です。
高すぎる目標は「本当にできるの?」と疑われますし、低すぎる目標は「その程度で再建できるの?」と思われてしまいます。

スケジュール設定のポイント

  • 短期(3ヶ月~半年): まず何に着手し、どんな成果を目指すか。
  • 中期(1年~2年): 本格的な収益改善をどう進めるか。
  • 長期(3年~5年): 安定的な黒字経営をどう定着させるか。

各期間で「誰が」「何を」「いつまでに」やるのかを明確にし、進捗を管理できる体制も示せると、計画の信頼性がグッと増しますよ。

銀行融資を成功させるための+α戦略

さて、ここまで審査を通過するための「再建計画」の作り込みについて詳しく解説してきました。
でも、銀行融資を成功させるためには、それ以外にもアピールできるポイントや、知っておくと有利に進められる戦略があるんです。
ここでは、そんな+αの戦略をいくつかご紹介しますね。

再建計画以外で銀行にアピールすべきポイント

再建計画がどんなに素晴らしくても、それだけで融資が決まるわけではありません。
銀行は、あなたの会社の「総合力」を見ています。
計画書に書ききれない、こんな点も積極的にアピールしましょう。

  • 経営者の熱意と経験:
    • 事業に対する情熱、なぜこの事業をやり遂げたいのか。
    • これまでの経営経験や、困難を乗り越えてきた実績。
    • 「この人なら、きっとやり遂げてくれる」と銀行に思わせることが大事です。
  • 技術力・商品力・サービスの独自性:
    • 他社には真似できない独自の技術やノウハウ。
    • 顧客から高い評価を得ている商品やサービス。
    • 「この会社には、他にはない強みがある」と示すことができれば、将来性を評価してもらえます。
  • 従業員の士気とチームワーク:
    • 社長だけでなく、社員一丸となって再建に取り組む姿勢。
    • 困難な状況でも前向きに頑張っている従業員の存在。
    • 「このチームなら、計画を実行できる」という安心感を銀行に与えましょう。
  • 取引先との良好な関係:
    • 主要な販売先や仕入れ先との安定した取引実績。
    • 「この会社は、周りからも信頼されている」という事実は、大きなアピールポイントになります。

これらの要素は、数字には表れにくいかもしれませんが、融資審査において意外と重要なウェイトを占めることがあるんです。

新しい資金調達手法(クラウドファンディング等)とのハイブリッド戦略の可能性

「銀行融資だけが資金調達の道じゃない」
これ、今の時代の常識ですよね。
特に、新しいチャレンジをしようとしている企業にとって、クラウドファンディングのような手法は非常に有効です。

クラウドファンディングで一定の資金を集めたり、多くの支援者から支持されていることを示せれば、それが銀行に対する信頼補完になるケースがあります。
「これだけの人たちが応援しているなら、この事業は有望かもしれない」と。

クラウドファンディングのメリット例:

  • 実績がなくても、アイデアや熱意で資金を集められる可能性がある。
  • 新商品やサービスのテストマーケティングができる。
  • 多くのファンを獲得し、PR効果も期待できる。

もちろん、クラウドファンディングで集めた資金だけで全てを賄えるわけではありません。
でも、そこで得た実績や注目度をテコにして、銀行融資と組み合わせる「ハイブリッド戦略」は、赤字からの再建を目指す企業にとって、非常に強力な武器になり得ます。

例えば、クラウドファンディングで試作品開発の資金を集め、その反応を見てから、本格的な量産体制のための設備資金を銀行に融資してもらう、といった流れですね。
銀行側も、一定の市場評価が得られている案件であれば、融資の判断がしやすくなります。

専門家(コンサルタント)を味方につける方法

「再建計画って、やっぱり自分たちだけじゃ難しそう…」
そう感じる経営者の方も少なくないと思います。
そんな時は、無理せず専門家の力を借りるのも一つの賢い選択です。

資金調達コンサルタントや経営コンサルタントは、まさにその道のプロ。

コンサルタントを活用するメリット:

  • 客観的な視点で、自社の強みや課題を分析してくれる。
  • 銀行が納得しやすい事業計画書の作成をサポートしてくれる。
  • 金融機関との交渉ノウハウを教えてくれる、あるいは同席してくれる。
  • 過去の成功事例や失敗事例に基づいた、具体的なアドバイスがもらえる。

もちろん、コンサルタントに依頼するには費用がかかります。
でも、それで融資が成功し、事業が軌道に乗るのであれば、それは「未来への投資」と言えるのではないでしょうか。

良いコンサルタントを見つけるポイントは、あなたの業界や会社の規模に詳しく、親身になって相談に乗ってくれるかどうか
無料相談などを活用して、まずは一度話を聞いてみるのがおすすめです。
私たちのようなコンサルタントは、いつでもあなたの味方ですよ!

まとめ

さて、ここまで赤字決算でも銀行融資を引き出すための秘訣について、かなり具体的に解説してきました。
最後に、今日のポイントをもう一度おさらいしておきましょう。

まず、赤字決算だからといって、銀行融資を諦める必要はまったくありません!
これが大前提です。

そして、そのために何よりも重要なのが、実現可能性の高い、具体的な「再建計画」を練り上げること。
なぜ赤字なのか、どうやって黒字化するのか、その道筋を銀行に納得してもらうことができれば、道は必ず開けます。

古い常識に縛られて、「うちは赤字だから無理だ…」なんて思い込むのは、本当にもったいない。
使える制度、頼れる専門家、そして新しい資金調達のアイデア。
あらゆる手段を駆使して、賢く資金をゲットしにいきましょう。

この記事が、少しでもあなたの会社の未来を照らす一助となれば、私、橘莉子として、これ以上に嬉しいことはありません。
未来への投資を止めることなく、果敢にチャレンジし続ける経営者の皆さんを、心から応援しています!
もし何か困ったことがあれば、いつでも気軽に相談してくださいね。
一緒に、未来を切り拓きましょう!